退職後の選択肢

前置き

退職したらすぐに職安に行って仕事探しをするものだ、 と思い込んでいませんか?  貴方が中年であっても、いくつかの選択肢があります。 実際にそのような手段をとってうまくいく方もいます。 一方で「そりゃ無理だろ」という選択肢をとって、成るようにしかならない人も居ます。
ともかくここで、色々な選択肢を知っていってください。

【転職先確保済み】
すぐに転職先に入社
少し間をあけて転職先に入社

【転職先がまだ決まらない】
旅人になる・しばらくのんびりする
すぐに転職活動開始
訓練校に行く
学校や留学に行く

解説

すぐに転職先に入社
一番役所関係の手間がいらない方法。 引っ越しなどを伴う場合、時間的に厳しいこともあるが、 優良企業の場合は引っ越しのために特別休暇をくれることもあるので 交渉してみよう。

少し間をあけて転職先に入社
遠隔地へ引っ越す、しばらく旅行などを楽しみたい人にお勧め。 ただし短い無職期間のために、健康保険や年金の手続きが必要になる。

旅人になる・しばらくのんびりする
転職できるスキルが有る人以外おすすめしない、とだけ言っておく。

すぐに転職活動開始
いろいろ手続きは必要だが一般的な方法。 業種にもよるが、職安だけでなく転職コンサルも使っておこう。 あせっても自分に合う案件がないときはないので、 その焦りを本業に関係ある資格取得などに当てるのも精神的には良い。 また訓練校には民間委託のパソコン事務コースのような、凡庸性のある コースもあるので受講してみよう。 勉強しながら、受講しながらの就職活動と聞くと大変そうに思えるが、 働きながらやるよりは遥かに楽である。

訓練校に行く
若くて業種替えをする人、本業に関係のあるコースに行く人にはおすすめ。 訓練校は職安とは別の、訓練校専用の求人票があります。 逆に言えば訓練校卒業生にたいして企業側の需要がある程度あるということです。 ただ普通に就活するよりも有利だし、少しだけ貴方の市場価値を高めてくれます。 例えば工事業者が求人を掛け、中途の人が数人来た場合の優先順位は「経験者(資格保持者)<訓練校卒業者<未経験者」 となります。全くの未経験よりはマシと見てくれる=仕事につきやすくなるわけです。 また大手のグループ系企業でも、毎年訓練校から人を取る会社も多々あります。
逆に中年で業種替えのために未経験のコースに入るのはお勧めしません。 事務や営業といった一般職の場合は、ある程度年齢に関係なく採用してくれるかもしれませんが、 ある程度専門性がある業種になると未経験の中年はまず選択肢にいれません。 (もし採用されたらウルトラブラックの可能性があります)  そして訓練校のコースは基本的に専門性の強く、ブルーカラーのコースが多いのです。 私の行った「電気工事科」なんてまさしくですね。 ただこれも例外の使い方が存在します。

学校や留学に行く
学校というのは民間の専門学校(例 電気大学校) などです。 若くて行きたい分野があるのなら民間の専門学校に言っても良いでしょう。 才能が有るのなら語学学校に行っても良いでしょう。 そうでないのなら若くても行くべきではありません。 中年ならなおさらです。(例あり)
英語ができて良い待遇を得られる人は、通訳レベルの人です。 大企業ではTOEICの点数がそこそこでも昇進につながり良い給料がもらえるようですが、 逆にTOEICの点数で大企業にはいれるわけではありません。 日本に拠点のある外資にも入りやすくはなりますが、そこそこの英語能力で良い給料をもらおうと思ったら、 英語無しでも日本国内で十分通用するスキルが必要です。
開始企業は少数精鋭です。オフィスをみると一人ひとりの机がとても広い代わりに人数がぐっと少ないです。 そしてそこそこの英語能力では精鋭の一員には成り得ないのです。
いずれにせよ学校に行ったその後を考えてから動きましょう。


番外編

どこへ行くのだろうか

私が35歳の時、フィリピンへ英語留学しました。 私の場合は完全な余興です。 しかし同年代の日本人が1割ぐらい居ました。 仲には自営業で基盤を築いている人、スキルのある人、社歴などで市場価値の高い人もいましたが、 日本人の社会人の大半はそうではない人たちでした。 彼らと話をしていて感じたのは「自分を変えたい、これからは英語だ、 英語さえ覚えれば世界が広がる」というなんとなくの感覚をもっているということでした。 それは卒業後にどうするつもりか聞いてみればわかります。
僕であれば「前と同じ業種に戻る」、自営業者やフリーランスも同じ、社歴がある人は「こういう業界に行く」 とはっきりすぐに言えるものです。 だけども後者の人たちは「とりあえず英語を使う職場で働きたい、できれば海外で働きたい」 といった曖昧なものが多いのです。 せめて○○がしたいから英語が必要というのなら別なのでしょうが。
このようなノースキルで市場価値のない中年に限って「俺は色々経験してきた」みたいなことを 若い大学生に語って言いふらすようです。 きっと「他人に誇れることがないこと、それどころか自分自身で認められる部分がないこと」が 自分でもわかってしまっているのでしょう。だからなおさら、他人に認めてもらうことになりふり構わずなのでしょう。
市場価値の低い彼らが思いつきで行動した結果どうなるのか、どうなったのか。 他人事はともかくとして、ここを読んでいる皆さんは、せめて考えて、出来るだけで良いから客観的になってから行動に移しましょう。

訓練校の使い方

私の行った電気工事学科は電気工事士、すなわち職人を養成するところです。 なのでみんな電気工事士になるために来て、卒業すると電気工事士としてはたらきます。
しかし私は職人になる気はまったくありませんでした。 私の目標はできるだけ優位に潤滑にビルメンという底辺職に就くことでした。したがって
ビルメンになりたい→情報収集→資格が会ったほうが良い→特に電気が優遇される→ 訓練校でただで勉強できる
という逆算で訓練校にはいりました。 その結果、ビルメン業界では上位の会社に入ることができました。
そして驚いたことに、私以外に2人、私と同じ考え(もともと他業種ねらい)の人が居ました。 この人達とは未だに連絡をとりあう友達です。

キャリアと訓練校の上手な使い方

上記の友達のうちの一人のはなしです。 彼は卒業後、鉄道関係の会社に入ることができました。 安泰ですし、仕事内容を考えれば給料が良い。
なぜこのような待遇を彼が手に入れることができたのか、順をおって説明します。
彼はもともと大手企業出身という社歴がありました。 ただその会社は給料が良いが仕事がきつく将来性もないということで、楽な業種 を求めて訓練校にきました。 彼は訓練校では特段頑張ることはなく、資格も簡単なものしか取得していません。 しかしもともとの職歴に、訓練校で「機械関係を学んだ」という経歴を加えて、 ほぼ彼の希望通りの会社に入ることができました。
考えている人は考えているものです。もちろん計画をねったからといってうまくいくとは限りませんが、 無策でうまくいくのは運の良い人(例えばバブル世代の就活)や、運良く能力高く生まれてきた人ぐらいのものです。

一度はおいで

訓練校は面白いところです。 人生挫折したひとは、一度は経験してみることをおすすめします。 電気工事学科なのに、中卒のガキンチョから40歳手前まで、とにかくいろいろな人が居ます。 そしてどんどん人が減っていき(就職して減っていくのではない! 自主的に来なくなるのだ) 卒業する頃には半分になっていたりする。 授業中もまじめに受講しているもの、ひたすら試験勉強、漫画、新聞、居眠り、ゲームとなんでもござれ。 また講師陣も半数は仕事を持ちながら週1で勉強を教えに来ています。 なので色々な職業の講師と話すことができます。
満足の行く待遇を捨ててまで訓練校に行く必要はありませんが、 30前の私のように人生壊れちゃった人は是非行ってみましょう。

旅人たち

私はなんどか旅人とも呼べるような人たちとあったことがある。 趣味の山歩きを楽しんでいると、一人もの同士、頂上でしばし語らうことが度々あった。 その中の一人。 たしか同年代(30すぎ)だったと思う。 定職にはつかず自然の写真展を開きながら、ここ3年間ほど車中泊の登山旅をしているという。 私も彼の職業を馬鹿にする気など一切起きず、彼も登山歴を自慢することもなかった。 むしろ私は彼の生活がとてもうらやましく思えたほどだ。
今振り返って考えると2つのことが思い浮かぶ。
一つは帰る場所の存在。彼とて実家という帰る場所がなければ、車中泊で何年も旅するなんてできないだろう。 帰る場所があるというのはありがたいことだということ。
もう一つは、彼と留学先の中年との違い。 彼は自分の中に嘘偽りなく自負できるものを持っているのだろう。 だから他人に認められなくても大丈夫。だから自慢なんてする必要ない。



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